3.天才だからだ……

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 横を向くと、疲労困憊といった態の彼女が仰向けに倒れていた。 「ユウ、今日は家でご飯食べてかないか?」  思ってもみないお誘いに頷きたくなるが、ここは人として遠慮するべきだろう。 「いい。自分の家で……」 「食べていくよな」  どうやら僕に拒否する権利は与えられていないようだ。嫌じゃないから別にいいけど。 「じゃあ、ご馳走になろうかな」  好きな人とご飯を食べれるという感喜を抑えて、控えめに応対する。
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