3.天才だからだ……

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 そして目を疑った。 「ど、どうして……?」  彼女の筆箱は、長方形で造られたアルミでできており、表面はかわいい柄で彩られている。  僕が注目しているのは、それの裏面である。彼女は、筆箱が開けっ放しの状態だとは気付いていなかったんだろう。  筆箱の中には、幾多もの誹謗が、目も当てられない程書かれていた。 『学校来んな』『死ね』『消えろ』  少し目を通して、直ぐに読むのを止めた。信じられない。  彼女が虐められているなんて。
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