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「ユウどこにも行かないで! もう一人になるなんて嫌なの! 寂しいの! 皆が私に冷たい視線を送ってくるのが辛いの!」
彼女の心からの訴えを聞いて、段々状況が掴めてくる。
ユキは、虐められていることをぼくが知ったら離れていくと思っているんだ。だから、今まで虐められているのをひた隠しにしていたのだ。
ばかだなぁ。ユキから離れて行くことはあっても、僕から離れて行くことなんて決してないのに。
落ち着きを取り戻しつつある彼女は、握っていた服をそっと放してくれた。
「ユウ。一人にしないで」
消えかけロウソクのような声。
だけど、確かな芯からの気持ち。
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