3.天才だからだ……

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 彼女と会うまでの僕は、進むべき方角を見失っていたと思う。 「だけど、ある日変わったんだ。学校に行こうって思えるようになった。なんの楽しみもなかった明日が好きになれた」  ユキの目を離さないよう確りと捕らえる。 「ユキに会ったから僕は変われたんだ」  だから、これからもユキと一緒にいたい、 「ありがとう。そして――」  ずっと、ずっと。 「好きです」  頭を撫でていた手を、背中に回す。体の支えにしていた手も同じようにして、ユキを抱き締める。
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