3.天才だからだ……

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 これが僕の全てで、これが僕が彼女に対するありったけの思いである。 「もう一回……」 「ん?」  腕の力を緩めて、彼女の顔が見えるように距離をとる。彼女は、僕の顔を覗き込みまた繰り返す。 「もう一回、『好き』って言ってくれ」  次は、聞き取ることが出来たので、その要望に答えようとして止める。 「明日、昼休みにあのベンチに来て欲しい」  この台詞は、あのベンチでこそ相応しい。 「分かった……」  すっきりしないユキの顔に、僕は苦笑する。
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