嫉妬

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夏休みに入って一週間が経過しようとしていた。 おかしい。夏の休みなのにどうして講座で学校に行かなければならないのだろう? これ、ただの夏の学校だよね。陽光がギラギラと照り付けて、流れ出る汗が止まる気配がない。 右、左、右、左と足を交互にペダルを動かして学校に続く坂を上る。やがて、太陽に敗退をきっすることになった僕の足は、動かすのを止めて、自転車から降りる。 周囲に数人、ハンカチで汗を拭う大人がいるが、同じ制服を着用している高校生は一人も見当たらない。 それもそのはずである。現在、僕は遅刻ギリギリである。一層のことサボってしまおうか、と企むがユキとの約束でそのようなことはできない。 ちなみに、ユイは僕の彼女である。……たぶん。一応、好きって言ったし。オーケーという返事貰った訳ではないけど。 いつも昼食一緒に食べてるし。本名知らないけど。 ――付き合ってるよね? 僕たち。
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