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ドアに手をついてもぅ誰も居無い筈の教室内に目を向けた。
『遅い』
誰も居無い筈の教室に1人、人が居てしかも“遅い”と言われ雪は驚いた。
『渉…待ってたの?』
午前の渉の言葉が雪の頭を横切り雪は複雑な気分だった。
『あぁ。一行にどっか行って帰ってこねぇから。』
『委員会だったから…帰って良かったのに。』
雪は渉と目を併せず返事しながら、自分の机に置いてある鞄を取った。
『いつも帰ってんだから、一言言ってくれりゃぁ良いのに。』
『……ご免…』
『雪?何からしくねーよ?何かあったか??』
渉は雪に近付き雪の顔を覗き込んだ。
『…ッ…な、何でも無い!…ご免渉今日一人で帰る。じゃぁね』
『あ、おい!』
雪は駆け足で教室を後にした。
渉を置いてきぼりにして。
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