記憶

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その日からと言うもの、渉が声を掛けようとするも雪は避けてばかり。 気が付けば、卒業式当日になっていた。 卒業式位一緒に帰りちゃんと元の仲に戻るべきなのは雪にも分かっていたが、どぅにも素直になれない自分がいた。 雪は桜の樹を見つめながら高校受験を思い出した。   「雪、早く志望高決めなさい」 雪は中々志望高が決まらず先生に急かされていたのだ。 願書提出は明日。 今日中に決めなければならない。 「けど、先生行きたい高校が見付からないんです」 「早く決めないと、明日なのよ?願書提出は」 「分かってます」 ガラガラ… その時職員室のドアが勢い良く開いた。 「雪、お前未だ決まってねーって?」 「渉」 入って来たのは渉だった。 「ぅん…決まらなくて…」 小動物の様な雪の表情を見て渉は言葉に詰まったが溜め息を1つして、口を開いた。 「じゃぁ同じ高校行かね?」
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