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「ありがとうございます…」
「家に帰りなさい。警備兵も最近は汚らわしい輩が増えているんだから…」
「……はい、すいません」
…何だ、優しい所あるじゃん。
彼女に何か果実を渡し、彼は別れを告げた。
そのまま彼は裏路地に入ってきて、私を見詰める。
…冷たい笑顔だ。
でも怖くはない、気遣われているかのような表情。
「さあ、行こうか。宿も近くにあるんだよ」
「………」
行く気になんてなれない。
でも、行かなければ…。
「…君は少なくとも、そんなゴミ箱の隣なんて汚い場所に座り込むような女じゃないと思うよ」
…その言い方は、卑怯だ。
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