いつもの時間

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今日もいつも通りの朝が始まる。 歯を磨き顔を洗い、軽く食事をすませ、満員電車で目的地へと行く。 満員電車は、その空間にそれぞれの世界が広がっている。 携帯電話でメールの確認をしたり、ゲームをしたり、試験やテスト勉強をしたり、本や新聞を読む人、座ってる人は寝てる人までいる。 私にとって、満員電車は座ることのできない、窮屈この上ない時間にしかすぎなかった。 そう、あの日までは… ある雨の日、いつものように電車に乗った。 雨の日は、いつも以上に電車は混む。その日もやはり、いつも以上に電車はぎゅうぎゅうだった。 ある駅に着くと、周りとは違う雰囲気の女性が目に留まった。服装こそ周囲に同化してるものの、今風な感じではなく、流行に流されない清楚な感じがした。 ふと、そんなことをぼんやり考えていると、いつの間にか、私とその女性はかなり近い場所で電車に乗っていることに気がついた。 ただ、なんとなく気になった。 そんなことがあってから、毎日の満員電車が、その女性に会えるかもしれない、一つのイベントに変わった。
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