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「きて…くや」
何だろう声が聞こえる
「起きて…拓哉」
どうやら俺を起こしているらしい。
「ふぁ~、おはよう碧」
「おはよう…拓哉」
俺を起こしたのは水瀬 碧(ミナセ アオイ)俺の幼なじみにして彼女だ。俺が言うのもあれだが、すげぇ可愛い。小柄な身体、肩を少し過ぎる位の髪が特徴だ。ちなみに碧も同じ学校に進学が決まっている。
「どう…したの?」
碧が首を傾げて訊いてきた。しつこいようだがいちいち仕草が可愛い。
「相変わらず碧は可愛いなって思っただけ」
「もう…拓哉の…ばかぁ」
俺はこれ以上碧を視ていると鼻血が出そうなので外に目をそらすと空が黒く染まっていた。
「碧、今何時だ?」
「う~ん、17:00位」
俺の問いに碧がそう答えた。
「それじゃあ、帰るか」
「待って…まだ…チュー…してない」
そう、俺達は目を覚ましたり、寝る前にチューしている訳だが…
「おいおい、ここは学校でしかも俺たちの教室だぞ」
「チュー…しないの?」
俺が反論すると、碧は瞳を潤ませて更に身長差のせいで自然と上目遣いになっている。こうなると俺は勝てない。
「分かったよ。やるから、そんな顔すんなよ」
俺がそう言った直後、碧が瞳を閉じて既に待っていた。
「早いなぁ、おい」
俺は小声で呟いてから、碧と口付けをした。
十秒位経ってから俺達は自然に離れた。互いの間に銀糸が引いていた。
「そ、それじゃあ今度こそ帰るぞ」
「うん」
そうして俺達は教室を後にした。
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