Ⅰ罪のない戯れ

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「わ、私の服はどこにあるんですか?」 「ボロボロだったから捨てた」 「捨てた?! 私に何を着ろというんです?」 「別に平気だろう」 青年がこちらに顔を向けて意味ありげにニヤリと笑う。 「どういうことですか?」 セリは声が震えないようにするだけで精一杯だった。――まさか、殺される?、セリの体に警鐘が鳴る。 青年がこちらに向かってきた。 思わずセリは目をつむって身を固くする。 「あんたはもう、ここから出れないんだからな」 セリは自分の耳を疑った。 目を開くとすぐそこに青年がいる。青年に唇をペロリとなめられた。 セリの顔にカッと血が昇る。 「いやっ」 セリは青年の胸を押して逃れようとした。 青年はビクともしない。
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