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「わ、私の服はどこにあるんですか?」
「ボロボロだったから捨てた」
「捨てた?! 私に何を着ろというんです?」
「別に平気だろう」
青年がこちらに顔を向けて意味ありげにニヤリと笑う。
「どういうことですか?」
セリは声が震えないようにするだけで精一杯だった。――まさか、殺される?、セリの体に警鐘が鳴る。
青年がこちらに向かってきた。
思わずセリは目をつむって身を固くする。
「あんたはもう、ここから出れないんだからな」
セリは自分の耳を疑った。
目を開くとすぐそこに青年がいる。青年に唇をペロリとなめられた。
セリの顔にカッと血が昇る。
「いやっ」
セリは青年の胸を押して逃れようとした。
青年はビクともしない。
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