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青年がようやく離してくれたのは酸欠で頭の中がくらくらとする時でセリは青年の腕を縋るようにつかんでようやく立っていた。
青年がセリの胸の辺りに顔をうずめて口付ける。
「……今はそういう気分じゃないって言ったのに」
セリが半泣き状態で訴えると青年は少しだけ離れて上目遣いにセリを見た。
「最後まではしてないだろう」
「そういう意味じゃありませんっ」
「何だ、最後までしてほしいのか」
セリはさらに頬を赤くした。
「そういうのじゃない……」
セリは喉から消え入りそうな声しか出なくてみじめだった。
「まぁいい。俺はこれから出かけるから一人で飯を食え。あーそれと、風呂とトイレはここから出て正面にある」
セリは呆気に取られながら青年の言葉を聞いた。
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