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夕暮れ、頬を撫でる空気が 刺すような冷たさに代わる。 それがあたかも条件のように 街の灯りは 深く色付き揺れてきた。
駅を出た頃には 吐く息も白い。約束の店へと 私は人の波を ヒールでリズムを刻むように 縫って歩く。
社会人なりたての頃から のめり込んでいたツーリングクラブの ほぼ10年ぶりの集まり。
最初はごく親しいメンバーの予定だったが リーダーの誕生会も兼ねて声をかけたら 20人近い大人数になったと聞いた。
なかには ホントに懐かしい名前もあり、ワクワクドキドキだ。
皆から子供扱いされつづけていた私は、大人になった姿を見せたくて 当時はあまり 見せなかったワンピースを選んだりした。
なぁんて 世間一般では いい大人もいいとこの30歳。
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