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「ありえないくらい 酷い天気だったしなぁ。ユメ、よく泣かなかったよ。えらかったな。」 シンさんが あの時してくれた様にニッコリやさしい笑顔で、頭をポンポンしてくれた。 「ちょっとの事で、イヤダァ!走れない!帰るぅ!って女の子、多かったしな。」 「そんな子は いらないわ。」 お、お姉様方…。 確かに私はバイクに乗るようになって、強くなった。 自分で乗って出た以上、多少何があっても自分で帰らなくては ならないのが、オートバイだと思うし。 それはライダーのバイクに対する責任でもあるだろう。 他ではどうか知らないが、私達の間では、それが当たり前だった。事故の恐さも知っているから、なおこと、中途半端な甘やかしはしない。 だからこそ 大切なモノを学んだ。 強くあるべき。 優しくあるべき。 そして 何より、 楽しくあるべき。 女子としては どうか分からないが、『男前』と言われるベースはここで築かれた。
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