阿久刀川千明-アクトガワチアキ-

2/5
前へ
/27ページ
次へ
【なら、いつ、何処で集まるんだ】 【貴方が決めていいよ】 【死ぬ覚悟、出来てるか】 【うん】 【俺は怖い】 【私も怖いよ でもみんなとなら死ねると思う】 【そうか 俺もだ。】 ―――――カチカチカチカチ キーボードを打つ音だけが、無駄に広い部屋に響く。 パソコンの明かりだけが唯一、暗い部屋を照らし出していた。 俺は目の痛みを覚え、一度顔を上げて壁に掛かっている時計を見た。 時刻は―――82800秒。 正しくは午後11時だ。 消灯時間はとっくに過ぎている。 俺、阿久刀川千明は、幼少の頃から、時間や数字を見ると[秒単位]に変換してしまう癖を持っていた。原因はよくは分からないが、多分…親父のせいだと思う。 親父は頭が良くて、小学校の数学教師をしていた。1時間は何秒だとか、365日は何秒だとか叩かれ殴られながら教え込まれて、嫌でも脳内はその教えを忘れていないらしい。 俺は、親父が嫌いだった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加