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【なら、いつ、何処で集まるんだ】
【貴方が決めていいよ】
【死ぬ覚悟、出来てるか】
【うん】
【俺は怖い】
【私も怖いよ
でもみんなとなら死ねると思う】
【そうか
俺もだ。】
―――――カチカチカチカチ
キーボードを打つ音だけが、無駄に広い部屋に響く。
パソコンの明かりだけが唯一、暗い部屋を照らし出していた。
俺は目の痛みを覚え、一度顔を上げて壁に掛かっている時計を見た。
時刻は―――82800秒。
正しくは午後11時だ。
消灯時間はとっくに過ぎている。
俺、阿久刀川千明は、幼少の頃から、時間や数字を見ると[秒単位]に変換してしまう癖を持っていた。原因はよくは分からないが、多分…親父のせいだと思う。
親父は頭が良くて、小学校の数学教師をしていた。1時間は何秒だとか、365日は何秒だとか叩かれ殴られながら教え込まれて、嫌でも脳内はその教えを忘れていないらしい。
俺は、親父が嫌いだった。
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