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白く塗り潰された
記憶の中で、母親
の甘い記憶が蘇る。
夥しい程の私たち
は、鮨詰め状態の
円形の部屋の中で
同じ夢を見ていた。
白亜の塔の内部で
卵が割れる夢を。
割れた卵の中から
出てきたのは、裸
の少女だった。卵
の殻の内壁を破り、
少女は白亜の塔に
降り立つと、ゆっ
くりと頭を巡らす。
夥しい程の私たち
は夢の中の少女の
様子を興味津々に
観察していた。
私たちは退屈に飽
き飽きしていたの
だ。
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