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私たちは少女の躰
が、髪が、粘膜で
汚れているのを眺
め、哀れな気持ち
になった。
ぐっしょりと濡れ
そぼった躰も髪も
気にする素振りを
見せずに、少女は
歩み出す。
少女が卵の殻を離
れると、粘膜が後
を追うように一筋
伸びる。
断ち切るかのごと
く少女は歩を進め、
上に下に続く螺旋
階段に近づいた。
少女は上を目指す
ようだった。真っ
白な螺旋階段に足
を乗せると、黄ば
んだ粘膜の跡が残
る。
白亜の塔が汚れる
様を初めて見た私
たちは戦慄した。
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