プロローグ

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俺は主人公体質と言う物が嫌いだ。 ほら、よく見るラブコメやら、ギャルゲーやら、エロゲーの主人公みたいに、イケメンで、そこら中でフラグを立てて女の子に囲まれ、ちょっとした変化に気付くくせに自分に向けられる恋愛感情には鈍く、みんなに好かれながらもヘタレて流され気味な甘々な奴。 そんな奴は滅びればいいとさえ思う。 そんな奴はライトノベルやアニメ、ゲームの世界だけで充分なのだ。 だが、この世界は中々どうして意地悪な物で、そんないかにもな主人公体質なヘタレ野郎が俺のすぐそばにいたりする訳だから性質(たち)が悪い。 そいつの名前は采女 輝(うねめ ひかる) 。 認めたくはないのだが、クラスメイトなのである。 しかも、隣の席だと言う最悪のケース。 授業の合間の貴重な貴重な休み時間なんか地獄だ。 そいつの幼馴染みやら、お嬢様やら、ツンデレやらクーデレやら、男勝りのヤンキー娘やら、大人しい娘……、その他諸々がそいつの席、言うなれば俺の席のすぐ近くに集まり、あーでもない、こーでもない、あたしが、いや、私が、僕が……と、イチャイチャし始めるのだ。 死ねばいいのに。
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