プロローグ

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「アンタ邪魔。そこどきなさいよ」 ポニーテールの女は、吊り上がった目をさらに吊り上げながら、俺に向かってそんな事を宣う。 はぁ?バカじゃないの? 「黙れ。お前らがどっかいけ。ここは俺の席だ。俺が自分の席で休憩していて何が悪い?わかったら散れ」 俺はそんな彼女から顔を反らし、掌を振りながらそう言ってやった。 ちなみにポニーテール女の名前は確か、『夏野 羽美』(なつの うみ)だったかな? なんか運動神経抜群で、体育会系のアイドルかなんからしい。 ……こんな常識はずれの言い掛かりを付けてくるような女がアイドルとか、この学校も大したことないな。 「~~ッッッ!!いいからさっさとどきなさいよ!!アンタみたいなのが、輝の近くにいるだけで邪魔なの!!」 すると、そのアイドル(笑)顔を真っ赤にして、叫びやがった。 教室中の視線が突き刺さる。 ふん。知るか。 「は?何回も同じこと言わせんな。なんで俺が俺の席から離れにゃならん?まさか、そこのアレに俺を席から離れさせて、近くに来いって言われたのか?」 だから俺は、アイドル(笑)や色んな女に囲まれながらヘタレまくっている鈍感野郎を指差して言ってやったのである。
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