プロローグ

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アイツ……采女 輝は俺に声を掛けた後、夏野を見て何か言葉を掛ける。 夏野の奴も俺と向き合っている時とはまるで別人のように、しゅんとした表情で采女の言葉を聞いていた。 「ごめんね。夏野さんには、俺から注意しておいたから、許してもらえないかな?」 そして、俺の方に顔を向け、そんな事を言ってきたのである。 まぁ、俺からすれば、コイツらが別にイチャイチャしようが関係ないし(ムカつくけど)、俺にさえ被害がなければそれでいいので、一言だけ返事をしようと思う。会話すんの嫌だし。 「あっそ。んじゃ、どっかでイチャイチャしてきてくれ。俺から離れた所でな」 采女ハーレムの女子たちが、ガヤガヤと騒ぎながら(主に俺への罵詈雑言)、俺に殺気の籠った視線を突き刺してくる。 ふん。これで少しは俺の近くでイチャイチャする事もなくなるかな。なんて思っていた。 だが、奴は俺からすれば考えられない言葉を返してきやがった。 「ん?別に俺はイチャイチャしてないよ?みんな仲のよい友達だし。そうだ、脇野君も俺と仲良くしようよ」
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