退屈な日に青を

序

俺は至ってフツーの大学生だ。

義務教育を終えて高校進学して、思春期特有の悩みも経験した。

両親の仲があまり良くなくて口喧嘩なんてしょっちゅうで、家なんて居心地悪くて嫌いだったし、自分の容姿にもコンプレックスを持っていた。

だけど大人に近づいていくにつれて、コンプレックスな容姿も話のネタにしたり、両親の喧嘩にも仕方ないなとなだめ役として入ることもできるようになった。

まあ今時、テレビの中で見るような夫婦円満な家庭の方が珍しいと思うし。

だから結構両親が不仲な場面って経験してる人いると思うと、悲劇の主人公みたいに嘆いてたって意味ないって段々と思えてきたんだ。

ただ、悩むのが面倒くさくなったっていうのもあるけど。だって悩んでマイナスに考えるばっかりじゃ、いいことなんてないしね。

それに大学入って一人暮らし始めたから、悩みの種とは少なからず疎遠になった。両親の喧嘩の仲裁が誰もいなくなって不安もあるけど。

だが俺もすぐ二十歳になるからいっそ離婚するならしてもいいと思う。