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入学したのは特別にいいわけでもない国公立大学。
それでも親は喜んでくれたし、友人も増えたしべつにいい。
それにさほど努力しなくても、人付き合いも勉強も平均以上は卒なくこなすことができた。
だから何かに夢中になって一生懸命努力した、って経験がないように思える。
っとまあ、所々話が逸れたが、フツーにそこらに転がっているような人生を送ってきたつもりだ。
表面的には、ね。
ただ一つ、俺の中には特別なところがある。
それは人の心の中で考えていることが朧げながら分かるのだ。
心理学が得意とか洞察力が鋭い人なんかが相手の気持ちをスパッと言い当てちまうだろ。それと同じだよ。
ちょっとそれが自然に出来て、かなりの確率で当たるってだけ。
そのおかげで人付き合いはいつも当たり障りがないようにやってこれた。八方美人とも言えるかも。
まぁ、それで自分から人と深いところまで関係を持とうとしてこなかった。
人付き合いは広く中途半端に浅く、が俺の基本。
そんな俺がヤツと接点を持つようになったのは、大学の入学式が終わって、まだ新しい環境に慣れずにいた時のことだった。
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