新年特別編

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俺に花束とラブレターをくれたのが、女子顔負けな可愛い男子と知ったとき… 俺は愕然とした。 これまで16年と少し、全うな人生とは言えないまでも、一応それらしく生きてきたのに。 こんなことが許されるんでしょうか? 俺のそれは菊の花とか画鋲とか、そういうものを言っているんじゃない。 なぜにこんな可愛い男がいるんだってことを…この世の不条理と叫びたくなった瞬間であった。 あれから早一か月。 時の流れは早いもので…「馨くーーーん!」 俺は今、近くの神社に初詣に来ている。 「これ、さっき買ったんだけど、よかったら食べて?」 そう、何故か菊の花をくれた子に懐かれました。 そして一緒に初詣。 差し出されたホカホカのたこ焼。 「あ、ありがとう?」 「へへ。美味しい?」 うわ…かわ…いや、落ち着け。奴はどんなに可愛くても、男なんだ。 ここはドキドキとかする場面ではない。きっとその筈。 「すごく美味しい」 言いながら結構くさいな…って思ったり。 ええ、そりゃあねえ、S組の皆さんがやればそれはそれは決まるだろうが…俺だぜ? だからさ、なんでそこ、赤くなるかな? ああそうだ。ここで彼の紹介をしておこう。 身長およそ150ちょい、ショートより少し長い黒髪にくりくりお目目。 会長大好きな、大江山 美鶴オオエヤマミツル。
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