62人が本棚に入れています
本棚に追加
それからお参りをして、甘酒をもらうと大江山がなんとも渋い顔をしていた。
「もしかして嫌い?」
「き、嫌いじゃないけど…だ、大丈夫だよ」
結構甘酒って嫌いな人は嫌いなんだよなあ。
「俺は好きだけどな」
「ぼ、僕も!」
…?何を言っているんでしょうか?さっきの渋そうな顔は…
「あ、ご、ごめん…」
「い、いや…」
えっと、なんか滅茶苦茶ギクシャクしてんのなwww
「なんか俺たち付き合い始めのカップルみたいじゃね?」
冗談で言ったんだけど、みるみる顔が赤くなる。
「冗談だって。そんな怒るなよ…って怒るよな」
「お、怒ってないから…早く…行こ?」
パーカーの裾をチョコンと引っ張るとか…お前は女子力高いな。
なんて言ったらまた怒られそうだ。
手に持っていた甘酒を一気に飲むと、ごみ箱に放り投げた。
見事着地。
「わあ、すごいね」
「はは、褒めんなって。照れるじゃねえか」
「すごいって!」
褒められてテンション上がるとかガキか…と思いながらも上がってしまうものはしょうがない。
そんな俺たちを見ている目があったなんて知らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!