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美鶴side
「俺は好きだな」
その言葉に過剰に反応してしまった。
何を勘違いしているんだろ…。つられて「僕も!」と言ってしまった。
今まではずっと会長様を一筋に思ってきた。
会長様のためだとおもって東条君に酷い事をしてしまった。
それが許されないことだってわかってる。
なのに…東条君は許してくれたんだ。
「じゃあさ、友達になろう?そしたら今回の件はチャラだから」
許されたとかじゃなくて、友達になろうって言ってくれたのがすごく嬉しかった。
これからいっぱい東条君に尽くすって決めた。
でも、最近は友達のままで嬉しいのに寂しい。
もっともっと近い存在になりたい…そんなふうに思ってしまっている自分と、そんな身勝手なこと許されないと分かっている自分がいる。
だから決めたんだ。この思いは絶対に伝えないって…
決めたはずなのに…つられて言っちゃうなんて…僕はバカだ。
でも、少しだけ…今日だけ…もう少し近くにいきたいよ。
そんな時に
「なんか俺たち付き合い始めのカップルみたいじゃね?」
とかいうから…。
顔が暑くなる。本当にそうならいいのに…。
でも東条君は怒っているって勘違いしちゃったみたい。
今日だけ、だから、罰あたらないよね?
東条君の裾をぎゅっとつかんだ。
これが僕の精一杯。
東条君が甘酒を一気飲みして、近くのゴミ箱に放り投げ見事に入った。
素直に褒めたらちょっとテンションがあがったようで、可愛いなあって思った。
美鶴side end
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