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「…僕は、大江山の次男なんだけど、お父様は僕に家を継がせたいって言っているんだ」
ポツリと漏れた言葉には複雑な感情が混ざっていそうだ。
「僕は、兄様に継いで欲しいのに、そして兄様もそれを望んでいたのに…少しくらい身体が弱いからって、僕に継がせようとしているんだ」
お家事情も大変だな。
「大江山はお父さんと話したのか?その跡継ぎの件」
「…お父様は忙しいお方だから、今まで会って話したことなんて数えるほどもないよ。僕はどうすればいいんだろ?」
こりゃ話したことがないなwww
「ちゃんと話した方がいい。もし話にくいなら、会長でもひっぱていけばいいさ」
会長なら大江山グループよりも大きい家柄だし、その後継者に一言口添えしてもらえば色々と悪いようにはならないと思い、提案したんだけど、おもいっきり首を横に振られた。
「会長様の、お手を煩わせるわけにはいかないよ」
「何でだ?」
「だって、会長様は、お話するのも恐れ多いのに…「それは会長が言っていたのか?」…違うけど」
はあ…。
「大江山、お前はいつ何でもどこでも自己完結させすぎ。たまには人を頼れ。生徒会ってのはな、生徒のためにあるんだ。本当に生徒が困っているのに助けないようなバカな奴らなら、生徒会なんてやる資格ねえよ」
それにあの会長は自分の非を認められる男だ。そういう奴はなかなかいない。
男ってのはプライドが高い生き物だからな…だから自分の非を認められずに前へ進むことができない。
さすが、会長ってところか。
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