多分ね、俺って影薄いんです

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カタンッーーー。 静寂の中、マイクが壇上に置かれた。 誰一人話そうとしない。 その静寂を打ち破る勇者がここに一人。 「あの、すみません。体育館ってここですか?」 重い扉を開けて疲れたのか、その顔には僅かな疲労感が漂っている。 『誰だ、貴様は。俺の話を遮るとはいい度胸だ。そこでとまっていろ』 置かれたはずのマイクは、いつのまにか壇上の上のいかにも〈俺様〉といった感じの人物に持たれていた。 「は、はいいいい!」 返す彼は、なんとも印象の薄い顔をした、平凡中の平凡な顔をしていた。 「あいつ、勇気あるよな」 「おい、見つかったらやばいだろ」 そんな会話がちらほらあちらこちらで聞こえ始めた瞬間だった。 バンッ!!! 壇上から鈍い音が響いた。
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