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大江山は驚いたふうに目を開くと、「敵わないなあ」と呟いた。
「でも、会長様は頼らないよ。僕の家のことだから」
そう強く言い切った瞳にはもう迷いなどはなかった。
「僕、お父様とお話させてもらう。今日は有難う…僕なんかの為に。じゃ、じゃあね?」
「ん。なんかあったら連絡よろしく」
ポフポフと頭を撫でれば、カア//っと赤くなった。
それから恥ずかしそうにはにかむと、駆けていった。…転ばないかな?
さて…暇になってしまった。帰ろう…と思った時。
「あれ?東条じゃん!」
いつぞやの爽やか君が甘酒を持ちながらこっちにやってきた。えっと…誰だっけ?
「あ~!その顔は俺のこと忘れてるでしょ」
「S組…なのは覚えてんだけど…」
素直にそういえば、フハッと笑った。最高にイケメン爽やか。
「岩崎弘。覚えろよ?」
「頑張るよ。ところで一人?」
「あー、まあね。さっきまでノリもいたんだけど、用が出来たって帰ったから俺も帰るとこ。そういう東条は?ってか東条って堅苦しいからカオでいい?」
さすが爽やか。友達作りも爽やか。
「いいよ?じゃあ俺も弘って呼ぶわ」
もともと俺も人見知りとかはしないからな。爽やかではないが。
「俺はさっきまで大江山と一緒だったけど、大江山もお家事情で帰ったよ」
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