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新年が明け、三学期が始まる。
「ねえ、東条君。話あるんだけどいいかな?」
少し待ってほしい…というより、状況が理解できない。
いつも通りにひっそりと教室に入る手前で、見ず知らずの誰かに捕まった。
「あの、誰ですか?」
「え?知らないの?僕のこと…」
…どっかで見た気はするんだけど…。
「ごめんなさい」
「ふーん、そっか、君が会長が言ってた面白い奴、ね。なるほど」
勝手に自己完結されても困るのだけれど…。
「じゃあ改めまして、生徒会書記の快だよ?それより、話あるんだけど、予鈴なっちゃうからまた放課後にでも生徒会室来てくれないかな?」
「ああ、はい」
「じゃーね!」
あわただしく去っていく後姿を拝みながら、視線がすごく刺さってくるのを感じる。
「「「ねえ!生徒会にまたお呼ばれされるなんて、何したの?」」」
椅子に座るなり糾弾されても困るんだけどな。
ああ、そっか。この人たち確か、書記の親衛隊って言ってたっけ?
ただ彼らの質問の答えは俺が知りたいくらいだったので、肩を竦めたら睨まれ、そこに如月先生が入ってきた。
「朝から騒がしーぞ、てめえら。誰の許可とってんだ」
「キャー!如月先生!」
「淳様!」
「今日も素敵です!」
いつも見ているだろうに、相も変わらず騒ぐとか…ホモめwww
誠也は特に興味もないらしく机に伏せていた。
「おい、屋代起きろ」
如月先生は今日も不機嫌そうな顔で誠也の頭を小突いた。
「えー、起きてますよおwwwでも如月先生のお顔、見飽きちゃった☆」
「あほか。とっとと起きろ。じゃねーとバケツ持たせて廊下に立たせるぞ」
「…はいはーい」
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