多分ね、俺って影薄いんです

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『今喋った奴、全員立て』 その声に何人かが恐る恐る立ち上がった。 『よし、今起立した者、それと空気も読まずに朝礼に遅れてきた馬鹿者は、後で生徒会室に来るように』 生徒会室行…それは死刑宣告ともとれる響きだ。 だが、やはり人気が高い生徒会は羨望する輩もいる訳で、そいつらは憎々しげに入ってきた平凡を睨んだ。 「もう、じーんってばそんなんだから生徒会が嫌われるんだよ?」 壇上の奥から呑気な声が響く。 その声はマイクを通していないにも関わらず、よく通る声である。 「あ?貴様は黙っていろ。文句があるなら受け付けるぞ?」 じーんと間延びした声で呼ばれた彼は何を隠そう、生徒会長、碌宮 仁ロクミヤジン。 そして彼の宥め役、生徒会補佐、柊 哲ヒイラギトオル。 そして、空気読めない少年のレッテルを張られた彼、東条 馨トウジョウカオル、彼こそがこの物語の主人公である。 では次ページからはそんな平凡君目線で物語が進んでいく…と思う。
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