7人が本棚に入れています
本棚に追加
コンビニの弁当で晩御飯を済ませ、お風呂に入る。
仕事の疲れもあり、眠くなりそうだ。
思い体を動かしお風呂から出、自分の部屋に行った。
ダブルベットに大きく大の字になり、目を閉じる。
五年前に戻りたい…。
あの頃は、楽しかったのにな…。
毎日が夢の様で、それが当たり前になっていた。
そんな事を考え、私はいつの間にか眠りに着いてしまった。
その夜、夢を見た……。
「君の声を聞かせて…」
貴方が初めて私に言った言葉…。
これは、あの時の場面……。
貴方の長い髪が、風になびいていた。
周りには沢山同じ羽織を着た人達。
私は、何も答えなかった…。
答えられなかった…。
それでも微笑んで、手を差し伸べてくれた……。
アサギ色の羽織に『誠』の文字……。
震える手を優しく包んでくれた…。
暖かい……。
夢なのに……。
もう一度、逢いたい…。
消えていく夢に、涙が溢れた。
セットしている目覚ましが朝を伝える。
今日は日曜で仕事は休みだった。
「目覚まし消しとくんだったな」
懐かしい夢に後ろ髪を引かれながらも、起き上がった。
寝癖の髪を手で触りながら、洗面所に向う。
歯ブラシに歯磨き粉を付け、綺麗に磨いた。
そして、髪を整えたら、出かける準備をした。
気分転換に散歩をするだけなのに、お洒落してる…。
バカみたい……。
バックを持って近くの公園に行った。
日曜の朝……。
沢山の家族連れが居るのは当たり前。
なんだか、浮いてる感じがしてたけど家に居たくなくて我慢した。
鳴らない携帯を開けてみる…。
待ち受け画像は、二人で撮った写真…。
懐かしい………。
それをバックにしまい、蒼空を眺めた。
何処までも続く蒼空。
貴方も同じ蒼空を眺めて居たよね……。
―五年前のあの日から
最初のコメントを投稿しよう!