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「…で、最後のプレゼントはどこなんだ?」
「え?」
俺は感謝のついでに、彼女の最後の仕事を手伝おうと立ち上がる。
ここまでやってもらったからには、俺だって男だ。筋的なものは通したい。
「あ、いいの。これはそのままで」
「? よくないだろ。仕事だろ?」
可奈は首をぶんぶんと横にふる。
「いいんだって!これはそのままで!」
「…はぁ?」
俺には意味が分からない。仕事がそのままでいいわけがないだろう。この仕事にプライドもってるのは可奈だって同じのはず。
「ったく。なんの意地だよ。仕事は仕事じゃんか。ほら、どこだよ、一緒に行くから教えろ」
「あっ!」
俺は可奈の背中のプレゼントを奪い取ると、適当な方向に歩き出す。
「………」
俺のかすかな足音が公園に響いた。
その音が10回ほど響いたとき
「…こっち」
可奈のふてくされた小さな声が俺の耳に届いた。
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