第壹章 瓦礫のオペラ

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しかし突如黒い何かが私の前に現れて、 天使が振り下ろした剣を刀で止めた。 漆黒の甲冑には真っ赤なラインが入り、 眼や刀の波紋も爛々と赤く輝く。 魔王の如く禍々しい武者だが、 私を守っている事だけは解った。 「でも一人じゃ無理ね、 希望的観測でも天使は無量大数はいるのよ」 「そんな・・・」 「それにこの世を創った神もいるし、 私を除く全悪魔はまたソロモン王の奴隷と化した。 敵は世界の全て!」 黒く小さな獣が私の側に現れ囁く。 よく見ると黒武者の鎧の隙間から血が溢れ、 片腕も無くしていたのだ。 「でも貴女なら出来る! 無限の天使軍を倒し! 全知全能の神を超え! 全ての人類と悪魔を救えるのよ!」 「そんな・・私にそんな力は・・」
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