ゴキブリ信者の末路

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「なるほど、貴方は今、この時での生き物の知を越えた結果、不運が重なり、運なく世界の狭間へ落ちました」 また同じように全方向から聞こえた状況と立場の遠回しな答えを訳すと 〔この時での生き物の知を越えた〕は〔生物と言う存在が生きているその時間帯で理解・発見する事を知と称し、その時間帯で知を授かる許容を越えた〕と言いたいのだろう。 簡単に言ってしまえば〔今の時点で知り過ぎ〕で更に砕けば推理小説で最初に犯人が分かってしまうようなものだろう。 そして知り過ぎた結果許容範囲外の存在を排除する形になった。 つまり、私は除け者にされたのだろう。 「理解が早いですね、それで状況についてもう少しあります」 先程から私の思考が分かっているような口振り、それは分かっているからだろうか。 いや待て…除け者にされた私は今誰と会話している? 「その答えを言いますから、聞いてください」 その台詞に確信を得た、思考をどんな形であれ、バレている。 ともかく今は話を聞こう。 「はい、非現実な事実をどうぞ」 そう促し、耳に集中した、どんな答えか気になるからである。 「私は概念の集合体です、様々な概念の集合体の私には姿形なども声もありません。思考はありますよ?」 概念の…集合体。随分壮大な回答に怯む事なく答えがない事に気付いた。
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