ゴキブリ信者の末路

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概念の集合体、それは姿形もない。 いや、あった思考があるのだ、つまり意思があるとも考えれる。ならば答えはある。それは知らない者は先ず居ないと思われる概念。 「…神様ですか…」 神などいない、そんな都合が良いものはない。 助けてくれる? 叶えてくれる? 救ってくれる? 裁いてくれる? 見てくれる? 分かってくれる? 教えてくれる? そんな事がまだまだ溢れ返り、愚象も愚行も愚考も甚だしい。 好都合な存在などヘドが出る。 しかし…今回はそう思わなかった、ただ頭の隅では半分も信じてはいない。当たり前だ、全て信じず可能性として考えよう。 だが今は神だ。 「はい、話し難いので貴方が接しやすい人となり会話しましょう」 訳も分からない提案に頷くと、一瞬でも刹那でも例えれない程の短い時間。時間の経過などないような、元からそうだったように辺りは白くなり、床が足元にあり、椅子に自分が座り、円のテーブルを挟んで座っている人の形のそれと対峙していた。 「っ……何で…坂本元教授が…」 凄く、とは言わないがかなり親しいその人物は深いシワを頬に刻み、健康的な肌で髪は白髪が混ざった苦労した人。 中年の少しぽっちゃりと腹が出ていて、グレーのスーツがイメージ通りに合う人物。 優しく笑う姿は正しく坂本元教授、即ち数学担当教師謙講義仲間の坂本勉(さかもとつとむ)なのだ。
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