ゴキブリ信者の末路

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「じゃあ、君と交渉しよう。君の持つ真理の対価として私は君の意を叶えよう」 まさかの提案、それは真理を売る、つまり手放す代わりに願いを叶えてくれると言うことだ。 「漫画のような力だって、地球で金持ちとして生きたりなど、君の自由だ。ただ、元に戻るは諦めて欲しい」 そう言って此方を見てきたが、それは理解出来なかった。叶えてくれる事が曖昧だからだ、ただ元に戻る事は出来ないらしい。 思い返せば戻りたいと言えば戻りたく、だが趣味と合う相手がいないのだ。そう、御器被りを好いていて語れる同士がいない。 坂本元教授とは数学の講義だから真に求めている同士とは呼べない。 頬杖をつき直して考えるが一向に決まらない。 ただ島流しに合うなら力など、地球で住むなら金持ちなど…。 拒否はしないが、どちらかを選ぶと地球以外のぶっ飛んだ常識も見たいものだ。 「力だ。御器被りの絶対者になりたい。後は…異世界で生きれるようにして欲しい」 鳩が豆鉄砲をくらったようにポカンとする姿を瞳におさめ 「そ…そうか…。ゴキブリ…か…ゴキブリになりたいのかな?」 「いえ、私は人でありたい」 「…他は?」 そう言われてどうするか迷った、正直御器被りの絶対者、理解者謙仲間謙同士ならば良いのだ。 「あ、どんな世界かお訊きしても?」 構わないとばかりに頷いた坂本元教授の偽物の概念の集合体の神は口を開いた。 「魔法の世界だ、争いがある。中世を中途半端に連想して欲しい。平和でもあり平和じゃない、モンスターが一杯いる」 手を動かし、ジェスチャーしてくれたが、そのジェスチャーは眼中になかった。 「魔法の…世界ですか…」 モンスターがいる事は命の危険がある、ならば 「虫を私の任意で擬人化させれるようにしてください…後…かなり戦えるほどに…」 「…分かった、一人だけなら考慮する」 そう口にした坂本元教授の偽物は口元が引きつっていた。
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