迷い込んだ者たち

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「ここが鈴木殿の実家でありますかっ!」 「ハイテンションだね、明後日からだよサバゲー。」 彼は深緑のシュタールヘルム型のヘルメットを輝かせながら下車する。 「どっかで試射したいであります。」 「とりあえず落ち着こうか。」 山之内がヘルメットにコンと手を添えて軽くツッコミを入れる。 「ガソリンスタンドと家が合体しているように見えるけど・・・」 「うん、しているよ。」 「本当に繋がっているのかよっ!?」 山之内のツッコミはいつものように元気よく響く、彼のように常識人がいないとツッコミは成り立たないのだろう。 「しかし何でこんな所にガソリンスタンドが?」 「高速道路が出来る前ここで時々ガス欠になる人がいたから、近いうち閉めようと思ったけどサバゲーの会場が出来てしまったからね、もしかしたら閉めないかも、ここら辺電車もないし。」 「電車がディーゼルって聞いた途端驚いたよこの電車の時代にさ。」 「しかもそのディーゼル機関車でさえここまで来ないときた。」 「すごい田舎ですね。」 「あの山を超えるとちょっとした町があるぞ。」 「自動車がないと生活できませんね。」 「ここの子供なんか自転車でその町に遊びに行くぞ。」 「マジですか。」 萩原はレトロな丸眼鏡をくいっと上げため息をつく。 「地理を把握するためにも自転車に乗って運動でもするか?」 「出来れば自動車の方がうれしいであります。」
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