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不審者
「メリッサ少尉、住民から通報があった二日前に奇妙な男が妙な車に乗って町を徘徊しているそうだ。」
煙草の臭いが蔓延していることが見ているだけでも分かる司令官の部屋で葉巻を噴かす中年の男性が説明する。
「それは警察の役目では?」
彼女は上司がどんな命令を下すかを予想して質問を投げかける、冴えない地方要塞に就任したが彼女の場合は性格が災いして左遷に近い形でこの地に送られた。
この地には戦略的地位もなくかといって安全ではない。
そのためここに勤めた者はあまり出世しないのだ。
「確かに警察の仕事だろうが山奥に自動車がいきなり現れたというのも変じゃないのか、もしかしたらスパイかもしれないし工作員かもしれない。」
彼は既にサインされた借用書と武器の使用許可書を渡す。
「なかなかの装備ですね、機銃は分かりますが装甲車は少しやりすぎでは?」
「どうせここには誰も攻めにこないしその程度だと戦力に支障もでない、用心に越したことはない。」
メリッサは部屋を退出した後金髪の髪を揺らしながら内線で連絡を取り直ぐに部隊を編成し捜索隊を山に走らせに行った。
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