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家という言葉にピクリと反応する。
確かに屋敷もどきなため家という表現は間違ってはいないだろう、もしかして今まで家自体あったが誰にも今まで気付かずに放置されたところ住み着いた、あるいは引っ越してきたということもあるがしっかりとした軍服を見てその考えを否定した。
「君達には銃の所持の疑いがある、銃が発見されるまでそこで待ってもらおう。」
それを告げると今度は奇妙な服を着た男が動揺する、それが怪しさを倍増させた。
するとまた作業員の男が発言をする、その内容は予想外というか呆気のないものだった。
「それ多分実銃ではなく玩具の銃だと思います。」
それを聞くと珍しくメリッサ少尉は目を大きく開け目を点にした。
運転席に座る軍曹に視線をずらすと彼は確かにそう聞こえましたと肩をすくめるだけであった。
「き、君達のその玩具の銃を確認したい。了承出来るなら両手を振ってくれ。」
すると二秒程彼等は首を振って仲間の同意を確認すると両手を大きく振る。
メリッサ少尉は車両から降り軍曹に指揮権を委ねて二名の歩兵を率い彼らの前まで立ち会う。
近くに来て分かったが彼らは顔の作りが自分らの物と違った、どこの国の者か砂漠に住んでいる人種なのか。
作業員らしき人物はよく見ると国旗らしき物をつけており彼もまた軍人なのだろう。
なぜ作業員と断定したと思ったがよく見れば繋を着ていて納得がいく。
「軍人か?」
「そうと言えばそうなるし、そうでもないとも言える。」
「分からないな。」
「まぁ一般的にいう軍隊だと認識しても構いませんよ、軍隊に準ずる装備を持ち軍隊と同じ役目を持っているので。」
彼は率直にとは言えないが軍だと隠しもせずに答えた。
となれば隣にいる将校は本物であり、下手をすると外交問題に発展する。
「玩具見ますか?」
「ああ。」
まずは確認だと思い案内を受ける、玄関らしき所につくと不用心なことに鍵を開けっ放しにしていた、するとそこにはまた不用心にも銃が並べられている。
中には確かに玩具のような銃もあるがそれでも作り込みが激しい、加えて本物とにしか思えない銃もいくつかある。
「持っても構わないか?」
「ええ、どうぞ。」
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