第三章・ー最後の一人ー

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「えーっと。何で秋君が邪魔者扱いになるの?」 「は? だって、デートするんだろう?」 「ん? デー……何って?」  な、何か今、勘違いも甚だしい言葉が聞こえたような? デー……何だって? 「だから、俺の我儘を叶えたせいで、集とデートをするんだろうが」 「しないよ!? 何でそうなっちゃう訳!? 集君とは普通に遊びに行くだけだよ!」  驚いた。もしかしてそんな勘違いを今までしていたから、週末の話をしたら急に不機嫌になっちゃった訳?  デートって、デートって、主に付き合ってる男女がするものでしょうがっ。  私達、付き合ってなんかないよ! 「……違うのか?」 「違うよ。もう、何でそうなっちゃうかなぁ。そりゃあきっかけにはなってるかもだけど、私にはもう、心に決めた()()がいるから、他にはなびかないよ」  ……変な提案しないで、初めからストレートに「集君と二人きりは気まずいからついてきて欲しい」とかって言えば良かった。  そしたらこんな無意味な誤解をされずに済んだかもなのに……。
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