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「ん? 今お前、心に決めた男性って言ったか?」
うわっ。しまった。思わずするっと言っちゃったよ。
別に絶対秘密って訳でもないけど、知られたらちょっと恥ずかしいよね。
今のところ集君にしかちゃんと打ち明けてないけど、これから週末は秋君と過ごす時間も増えるだろうから、話さなきゃいけないかな。
「お前、好きなやつとかいるのか?」
そんな事を考え込んでいる私に、秋君が訝しげな表情を浮かべて聞いてくる。
いたら悪いのかな? 私にだっているわよ、好きな人の一人や二人くらい。
って、本当はうーちゃん一人だけだけどね。
「い、いたら悪い?」
「いや。悪くはない。済まなかった。ちょっと、想像が出来なくて」
口許に手を充てながら結構失礼な事をさらっと言ってくれる。想像出来ないってどういう事よ?
ん? 私にだってねぇ、乙女な部分はちゃんとあるのよ。
格好良い人を見たらときめきもするし、こう見えて好きな人には一途なんだからね。
……って……秋君って……。
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