第三章・ー最後の一人ー

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「あまりからかわないでくれ」  そう言ってまた口許に手をやってる。うーん、秋君って感情を隠すのが下手だから、あまり表に出さなくなったのかなぁ。  でもどうしよう。何だかんだ邪魔が入って、週末の約束がいまだに果たされない。  海君とも仲良くしてみたいし、やらなきゃならない事が沢山あるなぁ。 「じゃあやっぱり週末は、三人で遊ぼうよ」 「は? だから何故そうなるんだ」 「ならない? 私は遊びたいよ?」  どうしても嫌なのかな。でも、悪い事じゃないし、約束もあるから一石二鳥って割り切れば楽なのにな。  思った以上に真面目なのかな、秋君って、それで疲れたりしないのかなぁ。何だか大変そう。 「も、……もう充分休めただろう。家まで送る。行こう」  うわ。都合悪くなったからって話を逸らされた。  せめて返事をしてから話を逸らそうよ。って、返事をしたら更に都合悪くなるか。
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