第二章・―前途多難!?―

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 この様子だと、多分皆空気を読んでくれると思うけど……、何か宮君が可哀想だな。  後でちょっと、何かお詫びの品でも渡そうかな。 「悠ちゃん、良いよね?」  なかなか返事をしない私に焦れたようで、再び聞いてくれるのに慌てて顔を上げる。 「あ、うん。ごめんね。それでえっと……。集君のところって、隣のクラスに行けば良いのかな?」  確か隣だったよね、クラス。そう思って聞いてみるけど、集君は首を横に振ると申し訳なさそうに答えてくれた。 「あ、違うんだ。出来れば人気のないところで……裏庭とか」  裏庭……。あ、初めて秋君と会ったところかな? そう聞くと、秋忠からの話を聞いた限りではそうだろうという事で、そこで待ち合わせするようにした。  何だってわざわざ人気のないところに呼び出すのかは知れないけど、それが秋君の事に関してなら聞きたい気もするのは確かだよね。  二つ返事で承諾すると、集君が何故だかほっとしたように見えた。  とにかく昼休み、秋君と連絡が取れなくなった理由が分かるんだ。  そう思うともう、それからの授業は身に入らなかった。
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