67人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
「悠ちゃん、ごめんね。秋忠のやつ、週末急に彼からの連絡を浮けて、予定を変更せざるを得なかったんだって」
「悠……」
集君が説明してくれる背後から、秋君が申し訳なさそうな表情と共に顔を出す。
……でも、そうならそうと、何か一言くらいはあって良かったんじゃ……。
「ごめんね。俺のせいなんだ。久し振りに退院出来るからって、秋忠の都合も考えずに連絡をしてしまって……」
誰の言葉にも応えずに俯いていると、今度は集君に“うみ”って呼ばれた彼が説明をしてくれた。
……退院? 気になるキーワードが出てきて顔を上げると、とても済まなそうな秋君と視線が合ってしまう。
「海は昔から身体が弱くてな。よく、入退院を繰り返す。だから、連絡があった時はどうしてもそっちを優先してしまうんだ」
「……」
そ……う、なんだ。うみ君、身体……生まれつき弱いのか……。
ちらりと見ると、ふわりと優しく笑みを浮かべられる。
「あの……」
自己紹介、お互いにまだ、してないよね……?
最初のコメントを投稿しよう!