第三章・ー最後の一人ー

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「俺の事は、海って呼んでくれて良いよ。同じクラスだから、これから宜しく」  同じ……クラス……? あ、そういえば空いた席があったような……。  私がそこに行かなかったのって何でなのかなって思ってたけど、そういう事かぁ。  ずっと入院していたのかな? こういう立ち入った事って、どこまで聞いて良いのか悩むよね。 「じゃあ……、海君。えっと、私の事は……」 「悠ちゃんって、呼んで良いかな?」  先んじて言われて、慌てて頷く。 「ありがとう」 「あ、うん。えっと……ところで、秋君と話をしたいな」  ちゃんと事情を話して謝ってもらえたとはいえ、やっぱり何だか気になって仕方がない。  二人っきりで話がしたいんだけど、大丈夫かな?  聞いてみると、集君と秋君が目線だけ合わせて何やら考えているようだったけど、すぐにまとまったのか振り向いて応えてくれる。 「うん。分かった。じゃあ、海」 「うん。じゃあ、悠ちゃんまたね」  手を振ってくれるのに、同じように返して後に残った秋君と向き合った。
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