第三章・ー最後の一人ー

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 ……とはいえ、いきなり二人っきりっていうのも、よく考えたらちょっとキツかったかな……?  何だか凄く気まずいんだけど……。 「……」 「その……」  結局何も言えずに黙っていると、秋君が気を使ってくれたのか、先に口をひらいてくれる。 「日曜は済まなかったな、本当に。まさかこんな事になるなんて思わなかったし、病院内では携帯の電源はオフにしているから」  そっか。落ち着いて考えたら、病院って基本的に携帯とかスマホみたいな、電磁波が飛び交う器機って駄目だったんだっけ。  だから皆が順番にかけても、なかなか連絡がつかなかったんだね?  まぁそこは仕方ないか……。 「うん。分かった。……実はあの日、すっごく心配だったから。だから、何の連絡もなかった時は、不安で仕方なかったよ」  秋君がこないって分かったら、皆遠慮して暴れたりはしなかったけど、折角の手料理とかが無駄になった気がして悲しかったんだよね。  ……そりゃあ、皆が「美味しい」って褒めてくれたのは、嬉しかったけどさ。
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