第三章・ー最後の一人ー

13/46
前へ
/159ページ
次へ
 何か引っかかるモノがあるんだけど……。モヤモヤの正体が何なのか分からない。  出逢ってからは皆がずっと側にいるから、クラスメイトは遠巻きに見るばかりで話しかけてくれないし、むしろ女子からは敵意ある視線を向けられている気もするけど……。  考えてたら切りがないなぁ。とにかく集君にはお礼を言って、皆を連れて行ってもらって私は秋君がくるまで教室で待った。  一人、また二人と帰って行って、校舎側の窓から夕陽が射し込む段になってようやく姿を見せてくれる。 「待たせたな」  走ってきたのか、少し息を切らせながらの声音だったから、思わず駆け寄って言っちゃった。 「だ、大丈夫? 無理しないでも、ちゃんと待ってたのに……。もしかして、用事が出来たとか?」 「ありがとう。大丈夫だから。……帰ろうとしたら、先生に呼び止められてな」  つまり雑用みたいな事をさせられていたのかな?  成績も優秀でスポーツ万能だって集君が言っていたし、先生からの信頼も厚いって事なんだろうね。  凄いなぁ。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加