第三章・ー最後の一人ー

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 友達にはなったけど、そこは束縛される必要もないし、週末の予定は決まっていたからちゃんと断っておきたかっただけだよねぇ。  なのに何でこうなるのかな?  ……。もしかして、秋君……。 「あ、分かった」 「え? は? な、何が」  あ、言われてちょっと狼狽えてる。やっぱり私の読みが当たってそうだなぁ。  よし、試しに言ってみよう。 「秋君、一緒に行きたいんでしょ」 「………………は?」  わざとらしく溜めて言ってみたんだけど、この様子だと失敗しちゃったかな。  いやいや。でも、これ以外考えられないよね。  そもそも私の方が秋君との週末の約束を、反故にしまくっちゃってる訳だから。  なら、集君とも連絡取り合って一緒に行けるようにしようかな。  我ながらナイスアイデアだな。 「じゃあちょっと待って」 「あ、ああ」  鞄の中からスマホを取り出すと、隣で首を傾げている秋君をよそに操作をしていく。  一緒に行ければ何の問題もないよね。  大丈夫。集君もデートって言ったのは、冗談だったみたいだし。
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