第三章・ー最後の一人ー

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 ん? 何か悪い事言っちゃったのかな? 何でこのタイミングで急に黙り込むんだろ?  何でも良いから早く何か言って欲しいよ、集君。 「あの、集君? 私の声、聞こえてるよねぇ……?」  怖くなって聞いてみたら、何故だかごめんと返されて、三人で出かけるのは構わない、楽しみにしてると続ける。  良かった。やっぱり大丈夫だよね。この際いつもより若干声のトーンが低い事は気にしないでおこう。  隣でいる秋君が先刻より更に怖い顔になってるけど、約束を取りつけたんだから断ったりは……しない、よね……?  どうしよう。今更自信がなくなってきたけど、どうしよう。  断られたら、まぁ当初の予定のままだから最悪集君と二人でも全然行けるよね。 「集君、大丈夫だって」 「聞こえている」  むすっとした表情と集君みたいな低い声で返されて、一瞬怯みそうになる。  ちょっと、何で二人共ここで不機嫌になるの?
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